航空事故史上最悪といわれた日航123便御巣鷹事故から、20年ほどたった平成18(2006)年、NPO法人「航空・鉄道安全推進機構」(ARSAP)は、航空や鉄道輸送の安全性向上と事故の撲滅を目標に発足しました。運輸安全委員会の前身である航空・鉄道事故調査委員会や国土交通省航空局(CAB)、宇宙航空研究開発機構(JAXA)のOBら事故調査関係者が中心となって、事故調査委員会の活動を外部から支援するのもこのNPO設立の当初目標のひとつでした。 当時は事故調査のあり方が大きく変貌しつつある時代で、重大ミスにつながりかねないヒューマンファクターの分析や、事故の背景にある組織要因の解明にまで射程が広がろうとしていました。事故調査組織も、従来の航空、鉄道事故に船舶事故も加えて、統合組織の「運輸安全委員会」として生まれ変わろうとする前夜でもありました。 以来、当NPOでは、これら運輸安全にかかわる最新の動向について講演会などを通して普及・情報発信に努めるとともに、安全の基盤となる様々な現場の見学会なども行い、調査研究を重ねてきました。 陸・海・空の安全を向上させて悲惨な事故の再発を防ぐには、直接の当事者、当事組織だけでなく、広く一般国民・利用者の理解と関心の高まりが欠かせないとわれわれは考えております。また、過去の貴重な教訓を風化させることなく未来に伝え、生かし続けることもNPOの重要な役割と受け止めており、御巣鷹の尾根への慰霊登山なども行っております。 こうした分野に関心・興味のある皆様の、当NPOへのご参加をお待ちしております。 (注)ARSAP:Aviation and Railway Safety Promotion